(目的)
第1条 この規定は、飯塚総合法律事務所(以下「当事務所」という。)に所属する弁護士(以下「弁護士」という。)の報酬に関する標準を示すことを目的とする。

(趣旨)
第2条 当事務所がその職務に関して受ける弁護士報酬及び実費等の標準は、この規定の定めるところによる。

(弁護士報酬の種類)
第3条 弁護士報酬は、法律相談料、書面による鑑定料、着手金、報酬金、手数料、顧問料及び日当とする。
2 前項の用語の意義は、次表のとおりとする。

(弁護士報酬の支払時期)
第4条 着手金は、事件等の依頼を受けたときに、報酬金は、事件等の処理が終了したときに、その他の弁護士報酬は、この規定に特に定めのあるときはその規定に従い、特に定めのないときは、依頼者との協議により定められたときに、それぞれ支払いを受ける。

(事件等の個数等)
第5条 弁護士報酬は、1件ごとに定めるものとし、裁判上の事件は審級ごとに、裁判外の事件等は当初依頼を受けた事務の範囲をもって、1件とする。ただし、第3章第1節において、同一弁護士が引き続き上訴審を受任したときの報酬金については、特に定めのない限り、最終審の報酬金のみを受ける。
2 裁判外の事件等が裁判上の事件に移行したときは、別件とする。

(弁護士の報酬請求権)
第6条 弁護士は、各依頼者に対し、弁護士報酬を請求することができる。
2 次の各号の一に該当することにより、受任件数の割合に比して1件あたりの執務量が軽減されるときは、弁護士は、第2章ないし第5章及び第7章の規定にかかわらず、弁護士報酬を適正妥当な範囲内で減額することができる。
一 依頼者から複数の事件等を受任し、かつその紛争の実態が共通であるとき。
二 複数の依頼者から同一の機会に同種の事件等につき依頼を受け、委任事務処理の一部が共通であるとき。
3 1件の事件等を複数の弁護士が受任したときは、次の各号の一に該当するときに限り、各弁護士は、依頼者に対し、それぞれ弁護士報酬を請求することができる。
一 各弁護士による受任が依頼者の意思に基づくとき。
二 複数の弁護士によらなければ依頼の目的を達成することが困難であり、かつその事情を依頼者が認めたとき。

(弁護士の説明義務等)
第7条 弁護士は依頼者に対し、あらかじめ弁護士報酬等について、十分に説明しなければならない。
2 弁護士は、事件等を受任したときは、委任契約書を作成するよう努めなければならない。
3 委任契約書には、事件等の表示、受任の範囲、弁護士報酬等の額及び支払時期その他の特約事項を記載する。
4 弁護士は、依頼者から申し出のあるときは、弁護士報酬等の額、その算出方法及び支払時期に関する事項等を記載した弁護士報酬説明書を交付しなければならない。ただし、前2項に定める委任契約書を作成した場合は、この限りでない。

(弁護士報酬の減免等)
第8条 依頼者が経済的資力に乏しいとき又は特別の事情があるときは、弁護士は第4条及び第2章ないし第7章の規定にかかわらず、弁護士報酬の支払時期を変更し又はこれを減額若しくは免除することができる。
2 着手金及び報酬金を受ける事件等につき、依頼の目的を達することについての見通し又は依頼者の経済的事情その他の事由により、着手金を規定どおり受けることが相当でないときは、弁護士は、第3章の規定にかかわらず、依頼者と協議のうえ、着手金を減額して、報酬金を増額することができる。ただし、着手金及び報酬金の合計額は、第17条の規定により許容される着手金と報酬金の合算額を超えてはならない。

(弁護士報酬の特則による増額)
第9条 依頼を受けた事件等が、特に重大若しくは複雑なとき、審理若しくは処理が著しく長期にわたるとき又は受任後同様の事情が生じた場合において、前条第2項又は第2章ないし第4章の規定によっては弁護士報酬の適正妥当な額が算定できないときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その額を適正妥当な範囲内で増額することができる。

(消費税に相当する額)
第10条 この規定に定める額は、消費税法(昭和63年法律第108号)に基づき、弁護士の役務に対して課せられる消費税の額に相当する額を含まない。

 

(法律相談料)
第11条 法律相談料は、次表のとおりとする。

2 前項の初回市民法律相談とは、事件単位で個人から受ける初めての法律相談であって、事業に関する相談を除くものをいい、一般法律相談とは、初回市民法律相談以外の法律相談をいう。

(書面による鑑定料)
第12条 書面による鑑定料は、次表のとおりとする。

2 前項において、事案が特に複雑又は特殊な事情があるときは、弁護士は依頼者と協議のうえ、前項に定める額を超える書面による鑑定料を受けることができる。

 

    第1節 民事事件

(民事事件の着手金及び報酬金の算定基準)
第13条 本節の着手金及び報酬金については、この規則に特に定めのない限り、着手金は事件等の対象の経済的利益の額を、報酬金は委任事務処理により確保した経済的利益の額をそれぞれ基準として算定する。

(経済的利益―算定可能な場合)
第14条 前条の経済的利益の額は、この規定に特に定めのない限り、次のとおり算定する。
一 金銭債権は、債権総額(利息及び遅延損害金を含む。)
二 将来の債権は、債権総額から中間利息を控除した額
三 継続的給付債権は、債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定のものは、7年分の額
四 賃料増減額請求事件は、増減額分の7年分の額
四の二 労働契約(雇用契約)上の地位確認請求事件は、7年分の給与の額
五 所有権は、対象たる物の時価相当額
六 占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は、対象たる物の時価の2分の1の額。
  ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額
七 建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。
  建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関する事件は、前号の額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額
八 地役権は、承役地の時価の2分の1の額
九 担保権は、被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額
十 不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権、賃借権及び担保権等の登記手続請求事件は、
  第5号、第6号、第8号及び前号に準じた額
十一 詐害行為取消請求事件は、取消請求債権額。
   ただし、取消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額
十二 共有物分割請求事件は、対象となる持分の時価の3分の1の額。
   ただし、分割の対象となる財産の範囲又は持分に争いのある部分については、争いの対象となる財産又は持分の額
十三 遺産分割請求事件は、対象となる相続分の時価相当額。
   ただし、分割の対象となる財産の範囲及び相続分について争いのない部分については、
   その相続分の時価相当額の3分の1の額
十四 遺留分減殺請求事件は、対象となる遺留分の時価相当額
十五 金銭債権についての民事執行事件は、請求債権額。
   ただし、執行対象物件の時価が債権額に達しないときは、第1号の規定にかかわらず、
   執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を考慮した時価相当額)

(経済的利益算定の特則)
第15条 前条で算定された経済的利益の額が、紛争の実態に比して明らかに大きいときは、弁護士は、経済的利益の額を、紛争の実態に相応するまで、減額しなければならない。
2 前条で算定された経済的利益の額が、次の各号の一に該当するときは、弁護士は、経済的利益の額を、紛争の実態又は依頼者の受ける経済的利益の額に相応するまで、増額することができる。
一 請求の目的が解決すべき紛争の一部であるため、前条で算定された経済的利益の額が紛争の実態に比して明らかに小さいとき。
二 紛争の解決により依頼者の受ける実質的な利益が、前条で算定された経済的利益の額に比して明らかに大きいとき。

(経済的利益―算定不能な場合)
第16条 第14条により経済的利益の額を算定することができないときは、その額を800万円とする。
2 弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を、事件等の難易、軽重、手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲内で増減額することができる。

(民事事件の着手金及び報酬金)
第17条 訴訟事件、非訟事件、家事審判事件、行政審判等事件及び仲裁事件(次条に定める仲裁センター事件を除く。)の着手金及び報酬金は、この規定に特に定めのない限り、経済的利益の額を基準として、それぞれ次表のとおり算定する。

2 前項及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
3 民事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2項にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
4 前3項の着手金は、10万円を最低額とする。ただし、経済的利益の額が125万円未満の事件の着手金は、事情により10万円未満に減額することができる。
5 弁護士が引き続き上訴事件を受任しないときは、上訴のときに、第1項の報酬金を請求することができる。

(調停事件及び示談交渉事件)
第18条 調停事件、示談交渉(裁判外の和解交渉をいう。以下同じ。)事件及び弁護士会が主宰する「仲裁センター」等の紛争解決機関への申立事件(以下「仲裁センター事件」という。)の着手金及び報酬金は、この規定に特に定めのない限り、それぞれ前条第1項及び第2項又は第21条第1項及び第2項の各規定を準用する。ただし、それぞれの規定により算定された額の3分の2に減額することができる。
2 示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、この規定に特に定めのない限り、前条第1項及び第2項又は第21条第1項及び第2項の各規定により算定された額の2分の1とする。
3 示談交渉事件、調停事件又は仲裁センター事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金は、この規定に特に定めのない限り、前条第1項及び第2項又は第21条第1項及び第2項の各規定により算定された額の2分の1とする。
4 前3項の着手金は、10万円(第21条の規定を準用するときは、5万円)を最低額とする。ただし、経済的利益の額が125万円未満の事件の着手金は、事情により10万円(第21条の規定を準用するときは5万円)未満に減額することができる。

(契約締結交渉)
第19条 示談交渉事件を除く契約締結交渉の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。

2 前項の着手金及び報酬金は、事案の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
3 前2項の着手金は、10万円を最低額とする。
4 契約締結に至り報酬金を受けたときは、契約書その他の文書を作成した場合でも、その手数料を請求することができない。

(督促手続事件)
第20条 督促手続事件の着手金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。

2 前項の着手金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
3 前2項の着手金は、5万円を最低額とする。
4 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、第17条又は次条の規定により算定された額と前3項の規定により算定された額との差額とする。
5 督促手続事件の報酬金は、第17条又は次条の規定により算定された額の2分の1とする。ただし、依頼者が金銭等の具体的な回収をしたときでなければ、これを請求することができない。
6 前項ただし書に規定する金銭等の具体的な回収をするため、民事執行事件を受任するときは、弁護士は、前各項の着手金又は報酬金とは別に、民事執行事件の着手金として第17条の規定により算定された額の3分の1を、報酬金として同条の規定により算定された額の4分の1を、それぞれ受けることができる。

(手形、小切手訴訟事件)
第21条 手形、小切手訴訟事件の着手金及び報酬金は、経済的利益の額を基準として、次表のとおり算定する。

2 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。
3 前2項の着手金は、5万円を最低額とする。
4 手形、小切手訴訟事件が通常訴訟に移行したときの着手金は、第17条の規定により算定された額と前3項の規定により算定された額との差額とし、その報酬金は、第17条の規定を準用する。

(離婚事件)
第22条 離婚事件の着手金及び報酬金は、次表のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

2 離婚交渉事件から引き続き離婚調停事件又は離婚仲裁センター事件を受任するときの着手金は、前項の規定による離婚調停事件の着手金の額の2分の1とする。
3 離婚調停事件から引き続き離婚訴訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による離婚訴訟事件の着手金の額の2分の1とする。
4 前3項において、財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、弁護士は、財産給付の実質的な経済的利益の額を基準として、第17条又は第18条の規定により算定された着手金及び報酬金の額以下の適正妥当な額を加算して請求することができる。
5 前各項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、離婚事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。

(財産管理事件)
第22条の2 財産管理等の報酬は、月額5万円以上とする。
2 受任時に財産状況の調査を行う場合の調査手数料は、金20万円以上とする。
3 前項の金額は、管理対象財産の金額、財産内容の複雑さ、管理の難易度等により増減することができる。
4 訴訟事件、調停事件、行政上の不服申立事件等を受任する場合は、別途第2章ないし第4章の規定に基づき報酬を受けることができる。

(境界に関する事件)
第23条 境界確定訴訟、境界確定を含む所有権に関する訴訟その他境界に関する訴訟の着手金及び報酬金は、次のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

2 前項の着手金及び報酬金は、第17条の規定により算定された着手金及び報酬金の額が前項の額を上回るときは、同条の規定による。
3 境界に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができる。
4 境界に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額又は第2項の規定により算定された額のそれぞれ2分の1とする。
5 境界に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き訴訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額又は第2項の規定により算定された額の、それぞれ2分の1とする。
6 前各項の規定にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、境界に関する事件の着手金及び報酬金の額を、依頼者の経済的資力、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。

(借地非訟事件)
第24条 借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次表のとおりとする。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

2 借地非訟事件の報酬金は、次のとおりとする。ただし、弁護士は、依頼者と協議のうえ、報酬金の額を、事案の複雑さ及び事件処理に要する手数の繁簡等を考慮し、適正妥当な範囲内で増減額することができる。
一 申立人については、申立てが認められたときは借地権の額の2分の1を、相手方の介入権が認められたときは財産上の給付額の2分の1を、それぞれ経済的利益の額として、第17条の規定により算定された額。
二 相手方については、その申立てが却下されたとき又は介入権が認められたときは、借地権の額の2分の1を、賃料の増額又は財産上の給付が認められたときは、賃料増額分の7年分又は財産上の給付額をそれぞれ経済的利益として、第17条の規定により算定された額。
3 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができる。
4 借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額の2分の1とする。
5 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、第1項の規定による額の2分の1とする。

(保全命令申立事件等)
第25条 仮差押及び仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」という。)の着手金は、第17条の規定により算定された額の2分の1とする。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の2とする。
2 前項の事件が重大又は複雑であるときは、第17条の規定により算定された額の4分の1の報酬金を受けることができる。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の3分の1の報酬金を受けることができる。
3 第1項の手続のみにより本案の目的を達したときは、前項の規定にかかわらず、第17条の規定に準じて報酬金を受けることができる。
4 保全執行事件は、その執行が重大又は複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金及び報酬金を受けることができるものとし、その額については、次条第1項及び第2項の規定を準用する。
5 第1項の着手金及び第2項の報酬金並びに前項の着手金及び報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができる。
6 保全命令申立事件及び保全執行事件の着手金は、10万円を最低額とする。

(民事執行事件等)
第26条 民事執行事件の着手金は、第17条の規定により算定された額の2分の1とする。
2 民事執行事件の報酬金は、第17条の規定により算定された額の4分の1とする。
3 民事執行事件の着手金及び報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができる。ただし、着手金は第17条の規定により算定された額の3分の1とする。
4 執行停止事件の着手金は、第17条の規定により算定された額の2分の1とする。ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の3分の1とする。
5 前項の事件が重大又は複雑なときは、第17条の規定により算定された額の4分の1の報酬金を受けることができる。
6 民事執行事件及び執行停止事件の着手金は、5万円を最低額とする。

(倒産整理事件)
第27条 破産、民事再生、特別清算及び会社更生の各事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とする。ただし、各事件に関する保全事件の弁護士報酬は、着手金に含まれる。
一 事業者の自己破産事件       50万円以上
二 非事業者の自己破産事件      20万円以上
三 自己破産以外の破産事件      50万円以上
四 事業者の民事再生事件       100万円以上
五 非事業者の民事再生事件      30万円以上
六 特別清算事件           100万円以上
七 会社更生事件           200万円以上
2 前項の各事件の報酬金は、第17条の規定を準用する。この場合の経済的利益の額は、配当額、配当資産、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定する。ただし、前項第一号及び第二号の事件は、依頼者が免責決定を受けたときに限り、報酬金を受けることができる。

(任意整理事件)
第28条 前条第1項に該当しない債務整理事件(以下「任意整理事件」という。)の着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とする。
一 事業者の任意整理事件       50万円以上
二 非事業者の任意整理事件      20万円以上
2 前項の事件が清算により終了したときの報酬金は、債務の弁済に供すべき金員又は代物弁済に供すべき資産の価額(以下「配当源資額」という。)を基準として、次の各号の表のとおり算定する。
一 弁護士が債権取立、資産売却等により集めた配当源資額につき

二 依頼者及び依頼者に準ずる者から任意提供を受けた配当源資額につき

3 第1項の事件が、債務の減免、履行期限の猶予又は企業継続等により終了したときの報酬金は、前条第2項の規定を準用する。
4 第1項の事件の処理について、裁判上の手続を要したときは、前2項に定めるほか、本節の規定により算定された報酬金を受けることができる。

(行政上の不服申立事件)
第29条 行政上の異議申立、審査請求、再審査請求その他の不服申立事件の着手金は、第17条の規定により算定された額の3分の2とし、報酬金は、同条の規定により算定された額の2分の1とする。ただし、審尋又は口頭審理等を経たときは、同条の規定を準用する。
2 前項の着手金は、10万円を最低額とする。

   第2節 刑事事件 

(刑事事件の着手金)
第30条 刑事事件の着手金は、次表のとおりとする。

2 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が二ないし三開廷程度と見込まれる情状事件(上告事件を除く。)、上告審については事実関係に争いがない情状事件をいう。

(刑事事件の報酬金)
第31条 刑事事件の報酬金は、次表のとおりとする。 

2 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいう。

(刑事事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合等)
第32条 起訴前に受任した事件が起訴(求略式命令を除く。)され、引き続いて同一弁護士が起訴後の事件を受任するときは、第30条に定める着手金を受けることができる。ただし、事案簡明な事件については、起訴前の事件の着手金の2分の1とする。
2 刑事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2条の規定にかかわらず、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
3 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して1件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。

(検察官の上訴取下げ等)
第33条 検察官の上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第31条の規定を準用する。

(保釈等)
第34条 保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、相当な額を受けることができる。

(告訴、告発等)
第35条 告訴、告発、検察審査の申立、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、1件につき10万円以上とし、報酬金は、依頼者との協議により受けることができる。

   第3節 少年事件

(少年事件の着手金及び報酬金)
第36条 少年事件(少年を被疑者とする捜査中の事件を含む。以下同じ。)の着手金は、次表のとおりとする。

2 少年事件の報酬金は、次表のとおりとする.

3 弁護士は、着手金及び報酬金の算定につき、家庭裁判所送致前の受任か否か、非行事実の争いの有無、少年の環境調整に要する手数の繁簡、身柄付の観護措置の有無、試験観察の有無等を考慮するものとし、依頼者と協議のうえ、事件の重大性等により、前2項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができる。

(少年事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合)
第37条 家庭裁判所送致前に受任した少年事件は、第5条の規定にかかわらず、家庭裁判所に送致されても1件の事件とみなす。
2 少年事件につき、同一弁護士が引き続き抗告審等を受任するときは、前条の規定にかかわらず、抗告審等の着手金及び報酬金を、適正妥当な範囲内で減額することができる。
3 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して1件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができる。
4 少年事件が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官に送致されたときの刑事事件の弁護士報酬は、本章第2節の規定による。ただし、同一弁護士が引き続き刑事事件を受任するときの着手金は、その送致前の執務量を考慮して、受領済みの少年事件の着手金の額の範囲内で減額することができる。

(手数料)
第38条 手数料は、この規定に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的利益の額を基準として、次の各号の表のとおり算定する。なお、経済的利益の額の算定については、第14条ないし第16条の規定を準用する。
一 裁判上の手数料

二 裁判外の手数料

 

(時間制)
第39条 弁護士は、依頼者との協議により、受任する事件等に関し、第2章ないし第4章及び第7章の規定によらないで、1時間あたりの適正妥当な委任事務処理単価にその処理に要した時間(移動に要する時間を含む。)を乗じた額を、弁護士報酬として受けることができる。
2 前項の単価は、1時間ごとに1万円以上とする。
3 弁護士は、具体的な単価の算定にあたり、事案の困難性、重大性、特殊性、新規性及び弁護士の熟練度等を考慮する。
4 弁護士は、時間制により弁護士報酬を受けるときは、あらかじめ依頼者から相当額を預かることができる。

 

(顧問料) 
第40条 顧問料は、次表のとおりとする。ただし、事業者については、事業の規模及び内容等を考慮して、その額を減額することができる。

2 顧問契約に基づく弁護士業務の内容は、依頼者との協議により特に定めのある場合を除き、一般的な法律相談とする。
3 簡易な法律関係調査、簡易な契約書その他の書類の作成、簡易な書面鑑定、契約立会、従業員の法律相談、株主総会の指導又は立会、講演などの業務の内容並びに交通費及び通信費などの実費の支払等につき、弁護士は、依頼者と協議のうえ、顧問契約の内容を決定する。

(日 当)
第41条 日当は、次表のとおりとする。

2 前項にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができる。
3 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から日当を預かることができる。

(実費等の負担)
第42条 弁護士は、依頼者に対し、弁護士報酬とは別に、収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、その他委任事務処理に要する実費等の負担を求めることができる。
2 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から実費等を預かることができる。

(交通機関の利用)
第43条 弁護士は、出張のための交通機関については、最高運賃の等級を利用することができる。

 

(委任契約の中途終了)
第44条 依頼者は、弁護士と締結した委任契約について、委任事務の終了に至るまでいつでも将来に向かって解除することができる。
2 委任契約に基づく事件等の処理が、解任、辞任又は委任事務の継続不能により、中途で終了したときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、委任事務処理の程度に応じて、受領済みの弁護士報酬の全部若しくは一部を返還し、又は弁護士報酬の全部若しくは一部を請求する。
3 前項において、委任契約の終了につき、弁護士のみに重大な責任があるときは、弁護士は受領済みの弁護士報酬の全部を返還しなければならない。ただし、弁護士が既に委任事務の重要な部分の処理を終了しているときは、弁護士は、依頼者と協議のうえ、その全部又は一部を返還しないことができる。
4 第2項において、委任契約の終了につき、弁護士に責任がないにもかかわらず、依頼者が弁護士の同意なく委任事務を終了させたとき、依頼者が故意又は重大な過失により委任事務処理を不能にしたとき、その他依頼者に重大な責任があるときは、弁護士は、弁護士報酬の全部を請求することができる。ただし、弁護士が委任事務の重要な部分の処理を終了していないときは、その全部については請求することができない。

(事件等処理の中止等)
第45条 依頼者が着手金、手数料又は委任事務処理に要する実費等の支払いを遅滞したときは、弁護士は、事件等に着手せず又はその処理を中止することができる。
2 前項の場合には、弁護士は、あらかじめ依頼者にその旨を通知しなければならない。

(弁護士報酬の相殺等)
第46条 依頼者が弁護士報酬又は立替実費等を支払わないときは、弁護士は、依頼者に対する金銭債務と相殺し又は事件等に関して保管中の書類その他のものを依頼者に引き渡さないでおくことができる。
2 前項の場合には、弁護士は、すみやかに依頼者にその旨を通知しなければならない。

民事事件の着手金及び報酬金(17条)

(事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。着手金の最低額は10万円。)
契約締結交渉(19条)

(事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。)
督促手続事件(20条)

(事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができる。着手金の最低額は5万円。)
手形、小切手訴訟事件(21条)

(事件の内容により,30%の範囲内で増減額することができる。着手金の最低額は5万円。)
任意整理事件(28条)
(1)弁護士が債権取立、資産売却等により集めた配当原資額につき

(2)依頼者及び依頼者に準ずる者から任意提供を受けた配当原資額につき

手数料(38条)
(1) 裁判上の手数料

(2) 裁判外の手数料